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アトピー歴30年超!!もちゃこのアトピー完治記

元アトピー患者の、もちゃこです。 30年以上アレルギーマーチに苦しみました。 アトピー&アレルギー格闘記書いてます。 もちゃこ流アトピーの治し方も公開中。 丸いものとお茶、甘いものが好き。 絶対にあきらめるな!がモットー。早くアトピー治しちゃおうね♪

囁かれた健康になる秘訣。そして祖母から学んだ「人が老いる」こと。

以前、アトピーと戦うだけでなく、痴呆の祖母も介護できた話♬ を書いた。思い出した事があるので、祖母について書こう。

 

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「もちゃこちゃん。健康になる秘訣はね、○くことだよ♪」入院中の祖母は私に囁いたのだ。この言葉が祖母から私への形見だと思っている。

 

 虚弱から大工さんへと変身した祖母。

元々祖母は、私と同じ虚弱体質だった。”中年まで、青白い顔して体も細く、家で寝てばかりいた”祖母。それが老年期に入ると、大工さんの様に日焼けして健康体になったのだ。

 

周囲の人は祖母を見て、不思議に思っていたが。やっと祖母が健康になったが、明らかになった。祖父が亡くなり一人暮らしになった祖母は、よく歩いたのだ!一日中街中を徘徊し、疲れては眠る。そして週3日必ず入浴施設に通ってたらしい。祖母は体を温め、よく歩く生活を何十年と送っているうちに、体が丈夫になっていたようだ。

 

たしかに、駅や学校が3分以内にあった私は、歩いた距離が普通の人以上に少ない。歩いて足腰を丈夫にすれば、健康への道が開けるかもしれない。祖母は認知症だったから、発言に対してあまり深読みはできないのであるが、これは嬉しい形見の言葉だ。「もちゃこちゃん。健康になる秘訣はね、歩くことだよ。」思い出すたびに、ニコニコして囁いた祖母の顔が浮かぶ。

 

入院中も徘徊し、叫んで周囲を困らせた祖母。

祖母は、自己免疫性溶血性貧血で入院した。半年ほど入院して散々周囲の人達を手こずらせた後、あっさり肺炎で逝ってしまった。外を徘徊するのが大好きだった祖母には、入院生活はきっと檻に閉じ込められた動物のように退屈なものだったと思う。

 

日がな一日、ベッドに正座してひたすらノートに文字を書き綴る祖母。記憶を失うのを恐れ、そこに記憶を留めておくかのように、祖母はペンとノートを離さなかった。そんな様子を、祖母が私の気配に気づくまでカーテン越しに覗いていた。

 

そして私の顔を見つけると、あんた誰の娘だっけ?どこに住んでいるの?から始まり、永遠と同じ様な質問が繰り返された。こちらが答えないと祖母はイライラし始める。

 

時々、大声で叫び病院に迷惑をかけている様で、看病に行くたびヒヤヒヤした。あまりにも叫ぶので、ナースステーションの真ん前に病室を移され、もっとヒヤヒヤ汗汗。夜になると徘徊するので、身体拘束も受けていたらしい。

 

私が看病に行くと、いつもベッド周りが祖母の皮膚の粉でまみれていた。どうやら病気のせいで、肌にかゆみを覚えかきむしってしまうらしい。わたしも自分のアトピー悪化で、皮膚の粉など見慣れた光景だったので、サッサとかき集めて掃除をした。まさか人の粉まで掃除するとは思ってなかったけど。

 

あと、トイレ介助でお股を拭こうとしたら、金切り声を上げられた。そっか認知症になっても人間だものね。きちんとプライドはある。きちんと人間の尊厳は尊重したよ。祖母は、死ぬまで自分のお股は自分で拭きました。孫には拭かせませんでした。

 

祖母の介護をして気がついた老人の体の不思議。

老人のお世話には、色んな発見があった。例えば、爪を切る時。大人が人に爪を切ってもらうというのは、かなり怖い事らしい。祖母の指がブルブル震える。皮膚が切られるかもしれない怖さに怯えるのだ。

 

私もこんな風に母に爪切ってもらってたのかなとかシミジミ考えたけれど、赤ちゃんは刃物や爪切りが怖いなんて思わないものねぇ、震える事はないよなぁ、などと考えながら切っていたのだが。確かに自分の爪を切るよりも、人の爪を切るのは難しいのだ。しかも90年以上生きると、ずいぶん爪が硬く厚くなるようで、力がいる。

 

そして足の爪は、硬いだけでなく巻き爪になっている。普通の爪切りでは切れなかった。ペンチで切るのだが、これが結構骨の折れる仕事だった。祖母が痛がらない様に気を配り、冷や汗出っぱなし。

 

祖母の髪を切って知った、年老いるということ。

祖母の髪の毛を切る際に気づいた。こんな綺麗な富士額してたんだ〜とか。意外と額が狭いんだなぁ、頭小さいなぁとかそういう小さなことを。ケアすることで、祖母の新たな一面を知った気がする。

 

あと、髪の細さと柔らかさに驚いた。ハサミでスルリと切れてしまう細さ。猫の毛みたいな柔らかさだ。特に私の髪の毛は、荒縄の様に太く量が多い。だからハサミを入れると、ジャキィー!っと歯ごたえの良い音がする。余計に驚いてしまった。

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歳をとると髪の毛の量が減り、細くなったとか、すっかり猫っ毛になっちゃってという話はよく聞くが。これがそうだったのか!みたいな。

 

しかも祖母の横顔は、笑ってしまうほど母親そっくりで。祖母を見ていると、まるで萎んでゆくりんごの様な母が、そこに居るようにみえるのだった。「○○○さん。」あまりにもそっくりなので、祖母を母の名前で呼んでみた・・・DNAの力ってすごいね!

 

随分長い間、耳掃除をしていなかった祖母。

耳の掃除をしようと耳を覗けば、両耳共でっかい耳垢で耳の穴がほぼふさがっていた。発見した時はかなりびっくりした。グループホームでは、耳掃除ってしてもらえなかったんだ??と思った。

 

祖母の小さい耳の穴にオリーブ油を少しずつ綿棒で流しながら、丹念にホリホリと掘り進んでゆく。そうやって取れた祖母のでっかい耳垢。それは看病というよりも、完全に研究者の作業領域だったと思う。

 

グループホームでは、耳掃除や爪切りは医療行為にあたるので、施設の職員ではできない事になっているらしい。

 

いつも最後の仕上げに全身をマッサージしてあげた。

持参してきた保湿剤を手にとり、人肌に保湿剤を温めてから「さぁ、おばあちゃん。全身マッサージするからね〜。」と声をかける。そして祖母の引っ掻き傷のある体に温めた保湿剤を塗りながら、マッサージしてゆく。

 

90越えの老人の皮膚は、オブラート並みにうすーくなっていた。乾燥していて、カサカサする。血管もかなり浮き出ている。引っ掻いた傷も痛々しい。数ヶ月歩いていないせいか、棒の様に足が細くなっていた祖母。

 

誰かに習った訳ではないけれど、私は人の体を揉むのが上手い方だと思う。でもマッサージをしようとすると、祖母は必ずこう言うのだ。「マッサージはいらないよ!もちゃこちゃんが疲れちゃうから。いいよ〜。」と。

 

確かに最初は体を硬くして、遠慮するのだが、マッサージしていくうちに、次第に祖母の表情が和らいでいく。

 

脆くなった体を優しくさすりながら、マッサージ。祖母の体も次第に血流が良くなるのか、ピンク色になった。祖母は老人だし小柄だが、胴回りは太いのでマッサージする範囲も広いから一仕事だ。

 

汗をかきかき祖母の体を丁寧に隅々までマッサージする。最後に祖母は必ずこう言った。「気持ちイィ〜〜〜〜〜〜!」私は心の中で呟く。「やった!」たとえ人が認知症になっても。心地よさなど本能の部分では、通常の人間とほとんど変わらないようだ。

 

祖母は祖父と好き合って結婚した訳でもなく。相性も悪くて喧嘩ばかりだったそう。祖父が死ぬまでは、寝込みがちだった祖母。祖父が死んでから丈夫で元気になった祖母。こういう話はよくあるそうで。

 

多分、祖父が祖母の体をさすってあげたことなんて、なかったんじゃないかな?人の手が優しいと、温かいと感じたことが何回あっただろうか。祖母を気持ちよくさせたのは、世界中で私だけだと思うと、思い出すだけで幸せな気分W

 

人の身体は実に面白い。色んな発見をさせていただいた祖母の介護。祖母から沢山のことを学び、それが私の中に蓄積されているのだ。そう考えてみると、幸せ。

 

祖母が亡くなった後の、後日談はこちら↓

mochi36.hatenablog.com